皆さんこんにちは!
三好工業株式会社の更新担当中西です。
~進化する技術と人の手~
近年、鉄骨加工・溶接業界は大きな転換期を迎えている。
ロボット化、デジタル管理、AI検査。
それでも、最終的な「仕上げ」は人間の感覚に委ねられている。
1. 自動化とスマートファクトリー
工場では、CAD/CAM連携によるNC加工機、自動溶接ロボットが導入されている。
設計データを直接機械に送り、切断・孔あけ・溶接まで一貫生産が可能になった。
これにより、人的ミスの削減・生産効率向上が進む一方で、
最終調整や微妙な歪み補正は、依然として職人の経験が欠かせない。
2. デジタル検査とAI技術
非破壊検査の分野でもAIが活用されている。
溶接ビード画像を自動解析し、欠陥を検出するシステムが登場している。
しかし、最終的な判断は、熟練検査員の目が下す。
人の感覚とデジタルの融合が、これからの品質保証を担う。
3. 若手育成と技術継承
熟練溶接士・加工職人の高齢化が進む中、若手の育成が急務である。
資格取得支援、技能競技会、デジタル教材などを通して、
“経験の可視化”が進んでいる。
「音」「火花」「手の重さ」——感覚を数値化し、次世代へ伝える。
それが今、業界全体での新しい挑戦となっている。
4. 11月の現場の姿
11月は気温が下がり、溶接環境が安定する季節。
熱歪みが少なく、塗装や乾燥の精度も上がる。
一方で、乾燥による静電気、手肌のひび割れなど、職人の体調管理も大切な時期である。
この時期は、1年の総仕上げとして大型案件の工場出荷が集中するため、
工場全体が緊張感に包まれる。
5. まとめ
鉄骨加工と溶接は、時代が変わっても“手の技術”で成り立つ仕事である。
ロボットが進化しても、火花の音を聴き分ける職人の感覚、
鉄を触って歪みを見抜く直感は、機械には再現できない。
それが、ものづくり日本の底力であり、
鉄の構造物に「魂」を宿す技である。