月別アーカイブ: 2025年5月

三好工業のここがミソ~図面のチェック項目~

皆さんこんにちは!

三好工業株式会社の更新担当中西です。

 

さて今回は

~図面のチェック項目~


ということで、橋梁工事で図面確認時にチェックすべき項目と、実際の現場で注意すべきポイントを詳しく解説します。

 

 

橋梁工事は、構造・荷重・設置条件すべてが高精度で管理されるべきインフラ工事です。その土台となるのが図面。そしてその図面が正確に読まれ、活用されることが、工事品質の根幹を成します







1. なぜ図面チェックが重要なのか?


橋梁図面は設計意図・構造仕様・施工手順など、膨大な情報が込められた「指令書」です。図面の読み違いや確認漏れは、次のような深刻な施工トラブルや事故を引き起こす恐れがあります:





  • 支承の取り付け方向ミスによる力の偏り




  • 配筋間違いによる耐荷力不足




  • 橋台・橋脚の座標ズレで部材不適合




  • 仮設材の設計荷重不備による倒壊事故




だからこそ、施工前にどれだけ図面を“読み込めるか”が、現場の信頼を左右します。







2. 橋梁工事における図面の主なチェック項目


以下は、施工前の図面チェックで必ず確認すべき代表的な項目です






































項目 確認内容
全体平面図・縦断図 橋の位置、橋軸方向、支間長、勾配
断面図 有効幅員、桁数、床版厚、車道・歩道の位置
構造図(主桁・橋台・橋脚) 鉄筋配置、コンクリート厚、開口部処理
支承・伸縮装置図 支承位置・向き、可動方向、設置高さ
仮設構造図 足場・支保工の配置、荷重分布、地耐力対応
配筋図・加工図 鉄筋径・ピッチ・定着長・継手方法の一致








3. 特に注意すべき「見落としがちなポイント」


(1)断面と立体形状の整合性


→ 断面図では分かりにくい橋台や橋脚の斜角構造に注意。現場では“直角”とは限らない。



(2)支承の向きと機能


固定支承と可動支承の混同が多発。耐震対応設計では方向制御が決定的に重要。



(3)構造接続部(ジョイント)の詳細


→ 伸縮装置・目地処理は設計図と現場の納まりに差が出やすく、施工後に修正が困難



(4)鉄筋の定着長・曲げ形状の指示漏れ


→ 実際の曲げ加工指示があいまいだと、加工ミス→配筋検査NG→工期遅延に直結。







4. 図面間の“矛盾チェック”も重要


複数の図面(構造図・詳細図・配筋図・平面図など)を横断的にチェックし、記載の矛盾・不整合を事前に発見する力が問われます。





  • 「鉄筋があるはずの位置に配筋図が空白」




  • 「部材寸法が構造図と詳細図で異なる」




  • 「施工順と図面上の指示が逆転している」




こうした“図面内事故”を防ぐのは、経験と現場感覚に基づいた徹底確認です。







5. チェック体制と記録の重要性


現場では以下のような体制で図面チェックを行うのが理想です:





  • 現場代理人・設計担当・施工班長が共同で確認




  • チェックリスト形式で記録を残す




  • 疑問点は設計者・発注者に即時照会




このプロセスを習慣化することで、後工程や検査時の指摘削減、信頼性向上につながるのです。







図面チェックは“施工前にできる最大のリスク対策”


橋梁工事は、やり直しの効かない構造物です。だからこそ、「図面を正確に理解し、矛盾なく現場へ落とし込む」という地味だが極めて重要な作業が、すべての品質と安全の礎になります。


「読み解く力」と「確認し合う文化」が、橋をつくる人々の信頼をつなぐ鍵となるのです。


 

 

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三好工業のここがミソ~図面~

皆さんこんにちは!

三好工業株式会社の更新担当中西です。

 

さて今回は

~図面~


ということで、橋梁工事における図面の書き出しがなぜ重要なのか、どのような課題を防ぐのかを深掘りして解説します♪

 

橋梁工事は、構造・寸法・施工順序すべてにおいて高精度が求められる高度土木工事の代表格です。その中で最も重要な準備作業の一つが、「図面の書き出し」です。


図面の書き出しとは、設計図を元に施工現場で使える形に加工・整理し、正確に“現場の言語”へと落とし込む作業です。







1. 図面の“読み取り”ではなく“書き出し”の重要性


橋梁工事において設計図には膨大な情報が詰まっています。しかしそのままでは現場で使いづらい場合が多く、以下のような作業が必要です:





  • 細部図や断面図から必要寸法を抜き出す




  • 配筋・鉄骨・コンクリート打設順序などを整理して加工帳へ




  • 現場マーキングや出来形管理に使える測点や高さの再計算




この「図面の書き出し」があることで、作業者全員が共通認識で動ける状態が生まれます。







2. 橋梁特有の精度と安全性の要求


橋梁構造物は、道路や鉄道を通す公共性の高いインフラです。そのため:





  • 数ミリのズレが構造強度に影響




  • 橋脚・橋台の設置誤差が長大橋全体のゆがみを生む




  • 斜角橋・曲線橋では3次元配置の誤認識リスク




図面の書き出しが正確でないと、型枠・鉄筋・支保工・ケーブル張力など施工全体に波及し、大規模な手戻りや補修が必要となる可能性があります。







3. 書き出しに必要な具体的情報整理


図面の書き出しでは以下の項目が現場仕様に落とし込まれます


































書き出し項目 用途・目的
座標情報(XYH) 墨出し、測点確認
構造寸法展開図 型枠加工・鉄筋曲げ寸法指示
コンクリート打設段階図 各ステージの施工順序整理
鉄筋結束図(展開・詳細) 配筋検査・施工手配用
仮設構台・支保工詳細 安全性・施工性の確認








4. 書き出しミスが引き起こす現場リスク




  • 鉄筋の継手長さ不足による強度不良




  • 型枠内寸と設計断面の不一致




  • 橋脚・橋台の位置ズレによる連結部破断リスク




  • プレキャスト部材の現場適合ミス




特に夜間施工・交差部・水中構造物では、事前の情報整理(書き出し)が施工ミス防止の生命線となります。







5. ICT・BIM活用と図面書き出しの進化


近年ではBIM/CIMや3Dモデリングの導入により、図面の情報を視覚的に共有しやすくなっています。しかし、現場では依然として「紙図面+書き出し加工情報」が重要です。





  • 2次元情報を現場基準に再変換するスキル




  • GNSSやトータルステーションに連携した測点書き出し




  • 作業班別の加工帳・図面整理




これらは、ICTと現場技術をつなぐ職人の知見が求められる領域です。







「橋をつくる前に、図面と向き合う力」


橋梁工事における図面の書き出しは、単なる準備作業ではありません。それは「図面の意図を理解し、現場に翻訳する」技術であり、構造物の安全性と品質を根底から支える仕事です。


“図面を読み取る力”と“書き出して共有する力”が、橋梁施工の成否を分ける最大の鍵となります。


 

 

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