日別アーカイブ: 2025年11月17日

三好工業のここがミソ~“見えない管理”~

皆さんこんにちは!

三好工業株式会社の更新担当中西です。

 

~“見えない管理”~


 

 

鉄骨加工や溶接の現場では、外からは見えない品質管理が行われている。
それは、建物の安全を100年単位で保証するための工程である。







1. 品質管理の基本


鉄骨工場は、国土交通大臣認定制度「Hグレード」「Mグレード」などの分類によって管理される。
溶接士の資格(JIS Z 3801)や溶接管理技術者(WES資格)も義務づけられており、
誰がどの部位を溶接したかまでトレーサビリティを確保する。


すべての工程は「溶接記録」「検査記録」「材料証明」として残され、
竣工後の保証にも利用される。







2. 熱変形と補正技術


溶接による熱影響で鉄骨は膨張・収縮を繰り返す。
この変形を想定し、事前に「逃げ寸法」を設定する。
また、歪み取り作業(熱矯正)は、職人の熟練が求められる工程である。
トーチで局所的に加熱し、冷却によって逆方向に歪みを矯正する。
これは溶接よりも難しい“修正の技術”である。







3. 安全管理


溶接現場は、高温・高電圧・火災リスクの高い環境。
遮光面、防炎服、絶縁手袋などの保護具は当然として、
作業姿勢・ケーブル取り回し・換気もすべて安全設計に基づく。


また、高所での鉄骨溶接(現場建方)では、命綱・親綱・墜落防止装置の使用が義務化されている。
一瞬の油断が命に関わる世界である。







4. チームで守る品質


鉄骨加工・溶接はチーム作業である。
設計、製造、検査、現場施工、どれか一つが欠けても品質は維持できない。


職人同士が互いに確認し合い、図面を共有し、声をかけ合う。
「安全・品質・納期」この三つを守るには、現場の連携がすべてである。







5. まとめ


鉄骨の品質は、溶接の強さだけでは決まらない。
一人ひとりの管理意識、安全意識、そして誠実な仕事が積み重なって初めて成り立つ。
見えない品質管理こそが、構造物の信頼を支えている。